特定技能の費用はいくら?初期費用・月額費用・採用コストの総額を徹底解説【2026年版】

特定技能の費用はいくら?初期費用・月額費用・採用コストの総額を徹底解説【2026年版】

「特定技能で外国人を採用したいけど、結局いくらかかるの?」

これは、外国人採用を検討する企業から最も多く寄せられる質問です。

特定技能の費用は、採用ルート(海外から呼ぶのか、国内で採用するのか)によって大きく異なります。たとえば、海外から新規採用する場合は初期費用だけで80万〜150万円かかるのに対し、既存の技能実習生から移行する場合は15万〜40万円程度に抑えられます。

この記事では、特定技能にかかる費用を「初期費用」「月額費用」「更新費用」の3つに分けて、具体的な相場を項目ごとに解説します。さらに、日本人を採用した場合との総コスト比較や、費用を抑える方法まで網羅しているので、予算計画を立てる際の参考にしてください。


目次

特定技能にかかる費用の全体像

特定技能外国人を1名採用・雇用するための費用は、大きく3つに分類できます。

  • 初期費用(一度だけ発生):人材紹介料、送り出し機関手数料、在留資格申請費用、渡航費、住居準備費など
  • 月額費用(毎月発生):登録支援機関への支援委託費、給与・社会保険料
  • 更新費用(年1回〜):在留資格の更新申請費用

以下が費用項目と相場の早見表です。

【一覧表】特定技能の費用一覧と相場早見表

費用項目相場(1名あたり)発生タイミング
人材紹介手数料10万〜60万円採用時(1回)
送り出し機関手数料10万〜60万円海外採用時(1回)
在留資格申請費用(行政書士依頼)5万〜20万円採用時(1回)
事前ガイダンス・生活オリエンテーション2万〜5万円入社時(1回)
渡航費(航空券)4万〜10万円海外採用時(1回)
住居準備費用10万〜30万円海外採用時(1回)
健康診断費用約1万円採用時(1回)
登録支援機関への支援委託費月額2万〜4万円毎月
在留資格更新費用3万〜10万円年1回〜

※上記は一般的な相場であり、人材紹介会社・登録支援機関・行政書士事務所によって料金は異なります。必ず複数社から見積もりを取ることをおすすめします。


初期費用の内訳と相場

初期費用は、採用方法と外国人の居住地(国内 or 海外)によって大きく変動します。ここでは主要な5つの費用項目について詳しく解説します。

人材紹介手数料(10万〜60万円)

人材紹介会社や登録支援機関を通じて特定技能外国人を採用する場合に発生する費用です。

出入国在留管理庁の調査によると、1名あたり10万〜30万円が最も多い価格帯です。料金体系は「定額制(1名あたり○万円)」が主流で、日本人採用で一般的な「年収の○%」という料率型は特定技能では少数派です。

ただし、介護や建設など人手不足が特に深刻な業種では、紹介料が30万〜60万円に上がるケースもあります。また、海外在住者と国内在住者では料金が異なる紹介会社もあるため、見積もり時に確認してください。

なお、自社で直接採用する場合や、既存の技能実習生を特定技能に移行する場合は紹介手数料は発生しません。

送り出し機関への手数料(対象4カ国の場合)

海外から特定技能外国人を採用する場合、相手国との二国間協定(MOC)により政府認定の送り出し機関を通すことが義務づけられている国があります。

送り出し機関の利用が必須の主な国は以下の4カ国です。

  • フィリピン
  • カンボジア
  • ベトナム
  • ミャンマー

送り出し機関の手数料は国や機関によって幅がありますが、10万〜60万円程度が相場です。

インドネシアやネパールなど、送り出し機関の利用が義務ではない国もありますが、出国手続きの関係上、実質的に送り出し機関を利用するケースがほとんどです。

ポイント: 紹介会社によっては送り出し機関手数料を紹介料に含んでいるケースもあるため、見積もり時に「送り出し機関手数料は別途か、込みか」を必ず確認しましょう。

在留資格申請費用(行政書士依頼 vs 自社申請)

特定技能の在留資格を取得するためには、出入国在留管理庁への申請が必要です。申請書類は100枚を超えることもあり、多くの企業が行政書士に作成・申請代行を依頼しています。

申請方法費用の目安
行政書士に依頼5万〜20万円/名
自社で申請実費のみ(収入印紙代4,000円+郵送費等)

自社で申請すれば費用は大幅に抑えられますが、書類の不備があると不許可になるリスクがあり、再申請には時間と手間がかかります。初めて外国人を採用する企業は、行政書士への依頼をおすすめします。

注意点

2026年1月の行政書士法の改正により、登録支援機関が受入れ企業に代わって書類を作成・申請することは原則禁止となりました。そのため、書類作成は「自社で行う」か「登録行政書士に依頼する」かの二択です。以前のように登録支援機関に書類作成をまとめて任せることが難しくなっているため、行政書士費用を予算に組み込んでおく必要があります。

事前ガイダンス・生活オリエンテーション費用

特定技能外国人に対して、入社前の「事前ガイダンス」と入社後の「生活オリエンテーション」を実施することが法律で義務づけられています。

登録支援機関に委託する場合、事前ガイダンスと生活オリエンテーションを合わせて2万〜5万円程度が相場です。通訳費用が含まれているかどうかで金額が変わるため、見積もり時に確認してください。

自社で実施する場合は外部費用は発生しませんが、外国人が理解できる言語での説明が必要なため、社内に多言語対応できる人材がいることが前提となります。

渡航費・住居準備費用(海外採用の場合)

海外から特定技能外国人を呼び寄せる場合、渡航費と住居の準備費用が追加で発生します。

渡航費(航空券代) は出身国や時期によって変動しますが、4万〜10万円程度が目安です。渡航費は本人負担が認められていますが、事前に書面で合意を得ておく必要があります。なお、企業負担にすることで応募者を集めやすくなるため、企業側が負担するケースが一般的です。

住居準備費用 は、敷金・礼金・仲介手数料・家具家電の準備などを含めて10万〜30万円程度です。社宅や寮を用意している企業は、この費用を抑えることができます。中古の家具・家電を活用する企業も多く、実際の費用は地域や物件によって大きく異なります。


月額費用(ランニングコスト)の内訳と相場

初期費用に比べて見落とされがちですが、雇用期間中ずっと発生する月額費用も重要です。

登録支援機関への支援委託費(月額2万〜4万円)

特定技能1号の外国人には、「義務的支援」と呼ばれる10項目の生活・就労支援を実施する義務があります。この支援を登録支援機関に委託する場合、月額2万〜4万円(1名あたり) が相場です。年間にすると24万〜48万円になるため、決して小さな金額ではありません。

支援委託費は、登録支援機関によってサービス内容が異なります。訪問の頻度、夜間対応の有無、母国語での相談対応の充実度などによって料金に差が出るため、金額だけでなくサービス内容をしっかり比較してください。

なお、義務的支援を自社で実施する場合は委託費用は発生しません。ただし、自社支援を行うには「過去2年間に外国人の受入れ実績がある」「外国人が理解できる言語で支援できる体制がある」などの要件を満たす必要があります。

給与・社会保険料(日本人と同等以上が必須)

特定技能外国人の給与は、同じ業務に従事する日本人と同等以上であることが法律で義務づけられています。「外国人だから安く雇える」ということはありません。

業種や地域によって異なりますが、特定技能外国人の平均月給は21万〜23万円前後とされており、技能実習生(18万〜20万円前後)よりも高い水準です。これに社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)の企業負担分が加わります。

在留資格の更新費用(年1回〜)

特定技能1号の在留期間は通算5年で、1年・6ヶ月・4ヶ月のいずれかで更新が必要です。更新のたびに出入国在留管理庁への申請が必要で、行政書士に依頼する場合は3万〜10万円程度の費用が発生します。


【採用ルート別】費用シミュレーション比較

ここまで個別の費用項目を見てきましたが、実際に1名を採用した場合のトータルコストは採用ルートによって大きく異なります。以下に3つの代表的なパターンで初年度の費用をシミュレーションしました。

パターン①:海外から新規採用する場合

費用項目金額の目安
人材紹介手数料30万〜60万円
送り出し機関手数料10万〜60万円
在留資格申請(行政書士)10万〜20万円
事前ガイダンス・オリエンテーション3万〜5万円
渡航費5万〜10万円
住居準備費10万〜30万円
健康診断約1万円
登録支援機関委託費(12ヶ月分)24万〜48万円
初年度の総額(給与除く)約93万〜234万円

海外採用は初期費用が最も高くなりますが、母国で試験に合格した意欲の高い人材を採用できるメリットがあります。

パターン②:国内在住の外国人を採用する場合

費用項目金額の目安
人材紹介手数料10万〜40万円
在留資格変更申請(行政書士)5万〜15万円
事前ガイダンス・オリエンテーション2万〜4万円
登録支援機関委託費(12ヶ月分)24万〜48万円
初年度の総額(給与除く)約41万〜107万円

国内在住者を採用する場合、送り出し機関手数料・渡航費・住居準備費が不要になるため、海外採用と比べて大幅にコストを抑えられます。 すでに日本での生活に慣れているため、定着率が高い傾向にあるのもメリットです。

パターン③:技能実習生から移行する場合

費用項目金額の目安
人材紹介手数料0円(自社雇用の場合)
在留資格変更申請(行政書士)5万〜15万円
登録支援機関委託費(12ヶ月分)24万〜48万円
初年度の総額(給与除く)約29万〜63万円

最もコストを抑えられるのが、自社の技能実習生を特定技能に移行するパターンです。 紹介手数料も送り出し機関手数料も発生せず、すでに業務に慣れた人材をそのまま雇用できるため、教育コストも最小限に抑えられます。


特定技能 vs 日本人採用、トータルコストはどちらが高い?

「日本人を採用するのと、どちらが高いのか」は企業が最も気になるポイントです。初年度と2年目以降に分けて比較してみましょう。

初年度コストの比較

項目特定技能(国内採用の場合)日本人(人材紹介経由)
紹介手数料10万〜40万円年収の30〜35%(約70万〜100万円)
入社手続き関連費用10万〜20万円(ビザ申請等)ほぼ0円
支援委託費(年間)24万〜48万円0円
初年度の採用関連コスト合計約44万〜108万円約70万〜100万円

意外にも、国内在住の特定技能外国人を採用する場合、日本人を人材紹介で採用するのと同等か、場合によっては安くなるケースもあります。 ただし、特定技能には支援委託費という日本人採用にはない継続コストがある点は考慮が必要です。

2年目以降のランニングコスト

2年目以降は紹介手数料が発生しないため、比較のポイントは「支援委託費」と「更新費用」になります。

特定技能の場合、登録支援機関への委託費として年間24万〜48万円、在留資格更新費用として3万〜10万円が発生します。合わせて年間27万〜58万円程度の追加コストです。

一方、日本人採用の場合はこうした追加コストはありませんが、早期離職による再採用リスクを考える必要があります。中小企業の日本人の平均的な離職率と比較すると、特定技能外国人は在留期間中は転職しにくい傾向があるため、定着率の面で有利になることもあります。

特定技能の採用費用について、もっと詳しく知りたい方へ

特定技能外国人の採用から入社後の支援までワンストップで対応しています。
「自社の場合、実際にいくらかかるのか」を具体的にシミュレーションいたしますので、
お気軽にご相談ください。


費用のうち外国人本人に負担させてよいもの

特定技能の費用の中には、外国人本人に負担させることが認められている項目があります。

本人負担が認められる5つの費用項目

  1. 渡航費(航空券代)
  2. 在留資格申請の手数料(収入印紙代)
  3. 健康診断費用
  4. 住居の家賃(入居後の月額家賃)
  5. 食費・水道光熱費

ただし、義務的支援に関する費用(事前ガイダンス、生活オリエンテーション等)は企業負担としなければならず、本人に転嫁することはできません。

本人負担を増やすリスク

法的に本人負担が可能であっても、実際には企業が負担するケースが増えています。その理由は、特定技能外国人は現在「売り手市場」にあり、求職者が条件の良い求人を選べる状況だからです。

渡航費や住居準備費を本人負担にすると、応募者が集まりにくくなったり、入社後の不満から早期離職につながるリスクがあります。「コストを抑えたつもりが、再採用で余計に費用がかかった」というケースも少なくありません。

企業側のアドバイスとしては、少なくとも渡航費と住居準備費は企業負担にすることで、優秀な人材を確保しやすくなります。


特定技能の費用を抑える3つの方法

方法①:技能実習生からの移行で紹介料をゼロにする

自社で受入れている技能実習2号・3号の修了者を特定技能1号に移行すれば、人材紹介手数料と送り出し機関手数料が不要になります。すでに業務を理解している人材なので教育コストも最小限です。

方法②:自社で義務的支援を実施する

登録支援機関への支援委託費(年間24万〜48万円)をなくすためには、自社で義務的支援を実施する方法があります。自社支援の要件は以下の3つです。

  • 過去2年間に外国人の受入れ実績があること
  • 支援責任者・支援担当者を選任すること
  • 外国人が理解できる言語での支援体制があること

これらの要件を満たせない場合は、登録支援機関への委託が必要です。

方法③:助成金・補助金を活用する

外国人採用に活用できる助成金として、「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」があります。就労環境の整備にかかった費用の最大2/3(上限72万円)が支給されます。

そのほか、「キャリアアップ助成金」「人材開発支援助成金」「トライアル雇用助成金」なども条件を満たせば活用可能です。

▶ 詳しくは関連記事「外国人採用で使える助成金・補助金まとめ」をご覧ください。

特定技能の採用費用について、もっと詳しく知りたい方へ

特定技能外国人の採用から入社後の支援までワンストップで対応しています。
「自社の場合、実際にいくらかかるのか」を具体的にシミュレーションいたしますので、
お気軽にご相談ください。


【2026年注意】行政書士法改正による費用への影響

2026年の行政書士法改正は、特定技能の費用構造に影響を与える重要な変更です。

登録支援機関による書類作成代行が原則禁止に

これまで、登録支援機関が受入れ企業に代わって在留資格申請の書類を作成・提出するケースが広く行われていました。しかし、行政書士法の改正により、この代行行為は原則として禁止されています。

違反に対する罰則も厳しくなっているため、「書類作成は自社で行う」か「登録行政書士に依頼する」かを選ぶ必要があります。

企業が取るべき対応策

この改正により、行政書士への依頼費用を別途予算に組む必要が出てきた企業は多いでしょう。対応策としては以下が考えられます。

  • 行政書士との顧問契約を検討する:複数名の採用を予定している場合、1件ごとに依頼するよりも顧問契約のほうが割安になることがあります
  • クラウドサービスの活用:近年は在留資格申請の書類を自社で作成できるクラウドサービスも登場しています。自社申請のハードルを下げる選択肢として検討する価値があります
  • 複数名の同時申請で割引交渉する:行政書士事務所によっては、同時に複数名の申請を依頼すると割引が適用されるケースがあります

特定技能の費用に関するよくある質問(FAQ)

Q. 建設業は追加費用がかかりますか?

はい、建設業には他の業種にはない追加費用があります。特定技能外国人を建設分野で受入れるには、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入が必須です。JACの正会員になる場合、年会費に加えて受入れ負担金(特定技能外国人1名あたり月額12,500円〜20,000円程度)が発生します。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録費用も必要です。

Q. 途中退職した場合、紹介料は返金されますか?

人材紹介会社によって返金規定は異なりますが、多くの会社が「早期退職時の返金制度」を設けています。一般的に、入社後30日以内の退職で紹介料の50〜100%、31〜90日以内で20〜50%が返金される規定が多いです。契約前に返金条件を必ず書面で確認してください。

Q. 複数名を同時採用すると割引はありますか?

人材紹介会社や行政書士事務所によっては、複数名を同時に採用・申請する場合に割引を適用しているところがあります。3名以上の採用を予定している場合は、見積もり時に割引の有無を確認するとよいでしょう。


まとめ:特定技能の費用は採用ルートで大きく変わる

特定技能の費用をあらためて採用ルート別にまとめると、以下の通りです。

採用ルート初年度の総額目安(給与除く)
海外から新規採用93万〜234万円
国内在住の外国人を採用41万〜107万円
技能実習生からの移行29万〜63万円

「特定技能は費用が高い」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、国内在住者の採用や技能実習からの移行を活用すれば、日本人を人材紹介で採用するのと同等のコストに収まるケースも十分にあります。

大切なのは、費用の安さだけで判断しないことです。人材紹介会社や登録支援機関の質によって、採用できる人材の質や定着率は大きく変わります。「初期費用は安かったが、半年で退職されて再採用コストがかかった」というケースは珍しくありません。

費用の全体像を把握した上で、自社に合った採用ルートと支援体制を選択することが、外国人採用を成功させる第一歩です。

特定技能の採用費用について、もっと詳しく知りたい方へ

特定技能外国人の採用から入社後の支援までワンストップで対応しています。
「自社の場合、実際にいくらかかるのか」を具体的にシミュレーションいたしますので、
お気軽にご相談ください。


目次