特定技能の採用方法を完全解説|海外採用・国内採用の全手順とコスト比較
採用ルート選択・手続き・法的注意点・定着施策まで採用担当者向けに網羅
- 海外採用・国内採用それぞれの全手順とコスト・期間の比較
- 採用チャネル(エージェント・JAC・求人サイト)の選び方
- 採用選考時に守るべき法的ルールと実務ポイント
- 在留資格申請の必要書類チェックリストと不許可回避策
- 採用後の定着率を高めるオンボーディング設計 トータルコストの試算方法と費用削減のコツ
特定技能外国人の採用方法は大きく2パターン|まず全体像を把握しよう
特定技能外国人を採用する方法は「海外採用」と「国内採用」の2パターンに大別される。どちらが自社に適しているかは、採用したい国籍・求める日本語レベル・採用スピード・予算によって異なる。まずは全体像を把握したうえで、自社の状況に合わせて選択することが重要だ。
【海外採用】現地試験合格者を直接採用するルート
海外採用とは、まだ日本に在留していない外国人を現地で選考し、在留資格を取得させて日本に呼び寄せる方法だ。ベトナム・インドネシア・フィリピン・ミャンマーなどが主な送り出し国となっている。
- 未経験でも意欲が高い若手人材を採用しやすい。国籍・人数の選択肢が広い
- 技能実習修了後の「帰国者」を再採用するケースも増えている
- 渡航費・住居初期費用など初期コストが高め(1名あたり+20〜40万円)
- 採用決定から就労開始まで3〜6ヶ月の期間が必要
- 中長期的に安定した人材を確保したい、国籍を指定したい企業
海外採用の場合、現地の送り出し機関やエージェントを通じた採用が一般的だ。特定技能評価試験は海外でも受験可能であり、試験合格済みの人材をピンポイントで採用できるケースも増えている。
【国内採用】在留外国人・技能実習修了者を採用するルート
国内採用とは、すでに日本に在留している外国人を採用し、在留資格を変更する方法だ。「技能実習2号・3号の修了者」「留学生」「特定活動ビザの外国人」などが主な対象となる。
- 採用から就労開始まで最短1〜3ヶ月と短期間
- すでに日本語・日本の生活習慣に慣れているため即戦力になりやすい
- 渡航費・住居初期費用などの初期コストがかからない(国内移動のみ)
- 国内在留者の絶対数に限りがあり、人気職種では競合が多い
- 技能実習修了者は引き止め(同一企業での特定技能移行)が難しい場合も
- 急いで人手が欲しい、日本語力の高い即戦力が欲しい企業
特に「技能実習修了者→特定技能1号」への移行は、すでに職場に慣れた人材を継続雇用できる点で非常に効率的だ。自社の技能実習生がいる場合は、まずこのルートを検討することを強く推奨する。
2つのルートの比較表(コスト・期間・難易度・リスク)
どちらのルートが自社に向いているかを判断するために、4つの軸で比較した。自社の状況と照らし合わせて選択してほしい。
| 比較軸 | 海外採用 | 国内採用(在留者) | 国内採用(実習移行) |
|---|---|---|---|
| 採用までの期間 | 3〜6ヶ月 | 1〜3ヶ月 | 1〜2ヶ月 |
| 初期コスト目安 | 80〜150万円 | 50〜90万円 | 30〜60万円 |
| 人材の選択肢 | 広い(国籍・人数) | やや限定的 | 自社実習生のみ |
| 日本語レベル | N4〜N3程度 | N3〜N2程度 | N3〜N2程度 |
| 即戦力度 | やや低め(新環境) | 高め(日本生活慣れ) | 非常に高い(職場熟知) |
| 手続きの難易度 | やや複雑 | 標準的 | 比較的シンプル |
| リスク | 渡航後の早期離職リスク | 競合他社への転職リスク | 比較的低い |
コストと速度を最優先するなら「国内採用(実習移行)」、人材の選択肢と長期雇用を優先するなら「海外採用」が適している。二者択一ではなく、両ルートを並行して検討することも有効な戦略だ。
採用ルート別・具体的な採用フローと期間の目安
全体像を把握したら、次は各ルートの具体的な手順を確認しよう。採用担当者が「いつ・何をすべきか」を時系列で整理する。
海外採用の全手順(現地求人〜渡航〜就労開始まで)
採用人数・国籍・分野・スケジュールを確定し、現地対応エージェントまたは送り出し機関と契約する
エージェント経由で求人を出稿。書類選考→オンライン面接→スキルテストを実施し、内定者を決定する
内定後、企業が出入国在留管理局に「在留資格認定証明書(COE)」を申請。審査期間は1〜2ヶ月程度
COE取得後、本人が現地日本大使館でビザを取得。住居手配・生活立ち上げ準備を並行して進める
入国後、生活オリエンテーション・銀行口座開設・在留カード手続きを経て正式に就労開始
海外採用では「COE申請〜許可」の期間がボトルネックになりやすい。申請書類の不備があると審査が長引くため、行政書士または経験豊富なエージェントに書類チェックを依頼することを強く推奨する。
国内採用の全手順(在留資格変更申請〜就労開始まで)
国内在留の特定技能候補者をエージェント・求人サイト等で探す。試験合格済み・技能実習修了者を優先的に探す
書類選考→対面またはオンライン面接。在留カード・技能試験合格証・パスポートの有効期限を必ず確認する
雇用条件書・支援計画書・在留資格変更申請書類を準備。登録支援機関が決まっている場合は委託契約も締結
出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請」を提出。審査期間は2週間〜1ヶ月程度(在留期限に注意)
許可通知後、在留カードを受け取り正式就労開始。ハローワークへの外国人雇用状況届出も忘れずに
国内採用では「在留期限が迫っている候補者」の申請が特に急務になる。採用決定後は速やかに申請書類の準備を開始し、在留期限の3ヶ月前には申請を完了させることが理想だ。
JACを通じた建設・造船分野の採用フロー
建設分野と造船・舶用工業分野の特定技能外国人採用には、「一般社団法人建設技能人材機構(JAC)」を通じた手続きが必須となる。JACを通じない採用は、これらの分野では認められていない。
- JACへの加入:特定技能外国人を採用する建設企業はJACへの加入が必須(加入費用あり)
- 求人登録:JACのシステムに求人を登録し、マッチング候補者を探す
- 面接・選考:JACのマッチングシステムを通じて候補者と面接
- 建設特定技能受入計画の認定:国土交通省への申請(追加書類が必要)
- 在留資格申請:通常の特定技能申請に加え、受入計画認定書を添付 ※ 造船・舶用工業分野も同様に分野別協議会(造船・舶用工業分野特定技能協議会)への加入が必要
JACを通じた採用は手続きが多く時間もかかるが、建設技能人材の品質保証や適正な雇用条件の担保という観点から、業界全体の信頼性向上に貢献している制度だ。初めてJAC経由で採用する企業は、専門の行政書士または建設業専門エージェントに相談することをお勧めする。
採用チャネル別の特徴と選び方
特定技能外国人の採用チャネルには大きく「人材紹介会社・エージェント」「求人サイト直接採用」「JAC(建設・造船のみ)」の3種類がある。それぞれの特徴とコスト、向いているケースを整理する。
人材紹介会社・エージェント活用のメリット・費用相場
特定技能外国人採用において最も活用されているのが人材紹介会社・専門エージェントだ。採用から書類準備・登録支援機関の紹介まで、ワンストップでサポートを受けられるケースが多い。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 紹介料の相場 | 採用者の年収の20〜30%、または固定で20〜60万円 |
| サービス範囲 | 求人票作成・候補者スクリーニング・面接設定・ 内定後書類サポートまで |
| 主なメリット | 採用ノウハウがない企業でも安心。 書類不備リスクを大幅に軽減できる |
| 注意点 | エージェントの専門性・対応国籍・業種経験は バラつきが大きい |
| 向いているケース | 初めての外国人採用、特定業種・特定国籍の 人材が必要な場合 |
エージェントを選ぶ際は「自社業種の採用実績が豊富か」「対応できる国籍・言語は何か」「登録支援機関との連携があるか」の3点を必ず確認してほしい。安さだけで選ぶと、書類不備・採用後のサポート不足といった問題が後から発生するリスクがある。
タカスイは特定技能・技能実習の採用支援において、エージェント機能と登録支援機関機能をワンストップで提供。
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対応分野:介護・外食・製造・農業・建設など主要分野に対応
求人サイト直接採用の注意点
人材紹介会社を使わず、求人サイトに掲載して直接採用するケースも増えている。コストを抑えられる反面、採用担当者の工数が増え、書類確認・在留資格知識が求められる。
- 在留カードの在留資格区分と就労可否を自社で確認しなければならない
- 不法就労者を「知らなかった」では免責されない(不法就労助長罪のリスク)
- 特定技能の要件(試験合格・技能実習修了)を自社で確認する必要がある
- 在留資格申請書類の作成は専門知識が必要であり、行政書士への依頼を推奨
直接採用は採用コストを抑えられるが、「採用担当者の工数コスト」と「書類ミスによる不許可リスク」を正確に試算したうえで判断することが重要だ。採用人数が多くなるほど、エージェント活用のほうがトータルコストが低くなるケースも多い。
JACとは何か?利用できる業種・利用メリット・手順
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)は、国土交通省が所管する建設分野の特定技能外国人採用に特化した公的機関だ。建設・造船分野で採用する場合は、JACを通じた採用が唯一の正規ルートとなる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象分野 | 建設業(全職種)・造船・舶用工業(一部職種) |
| 加入費用 | 正会員:月額1〜3万円程度(企業規模により変動) |
| 主なサービス | 求人マッチング・外国人技能検定の実施・支援機関紹介 |
| メリット | 公的機関のため信頼性が高い。 マッチングシステムが整備されている |
| デメリット | 手続きが多く、通常の特定技能より採用期間が 長くなりやすい |
建設・造船分野でJACを活用する場合は、「JAC加入→受入計画認定→在留資格申請」という独自フローを踏む必要がある。JACの担当者との連携を密にし、各ステップの審査基準を事前に確認しておくことが採用成功の鍵となる。
採用選考時に押さえるべき法的ルールと実務ポイント
外国人採用の選考においては、日本人採用と同様の法令が適用されるだけでなく、外国人特有の確認義務も生じる。法令を知らずに採用を進めると、違反リスクや採用後のトラブルにつながる。
外国人採用における差別禁止・公平選考の義務
外国人だからという理由で不合理な差別的扱いをすることは、職業安定法・労働基準法・出入国管理法によって禁止されている。選考基準は業務遂行能力に基づくものでなければならない。
- 「外国人だから採用しない」という国籍・人種・民族による差別的な選考基準の設定
- 「女性だから夜勤は任せられない」など性別・年齢・出身国による不合理な制限
- 面接での宗教・婚姻・妊娠・家族計画に関する質問(プライバシー侵害)
- 「日本語が流暢でなければ採用しない」という業務上必要性のない日本語要件の設定 採用後の差別的待遇(外国人だけ賃金を低く設定・昇進機会を与えないなど)
選考基準を「業務に必要なスキル・資格・経験」に基づいて明確化し、全候補者に同じ基準で適用することが重要だ。面接マニュアルを整備し、面接官全員が法令遵守の意識を持つことが求められる。
面接時に確認すべき在留資格・日本語能力・資格の確認方法
採用選考時には、候補者が特定技能の要件を満たしているかを自社で確認する義務がある。以下のチェックポイントを面接時に必ず確認してほしい。
- 在留カードの有効期限と在留資格区分(技能実習・特定活動・留学など)の確認
- 特定技能評価試験の合格証または技能実習2号修了証明書の確認
- 日本語能力試験N4以上または日本語評価試験の合格証の確認
- パスポートの有効期限(在留期間終了前に更新が必要な場合の確認)
- 健康診断結果(採用後の就労開始に問題がないか)
- 前職の退職予定日・退職証明書(在留資格変更に必要な場合がある) □ 日本語でのコミュニケーション能力の実測(面接での会話・読み書きテスト)
在留カードの偽造は増加しており、カード番号を出入国在留管理庁のオンラインシステムで照会することを強く推奨する。「確認した」という記録(コピーの取得・確認日時の記録)を保管しておくことが、不法就労助長罪から企業を守る重要な証拠となる。
内定後の雇用契約書作成・母国語対応の必要性
内定後は雇用契約書を速やかに作成し、本人が理解できる言語で交付することが求められる。特定技能の要件として、雇用条件を「本人が理解できる言語で説明する」義務が企業に課されている。
- 雇用契約書の言語:日本語版に加え、英語・ベトナム語・インドネシア語・タガログ語など本人の母国語版を用意する
- 記載必須事項:給与・就業時間・休日・残業・社会保険・住居・帰国旅費の取り扱いなどを明記する
- 同等以上の賃金:同職務の日本人労働者と同等以上の報酬でなければならない(確認書類を残す)
- 試用期間の設定:試用期間を設ける場合は期間・条件を明記。試用期間中の特定技能在留資格は変わらない
- 帰国旅費:特定技能外国人が帰国を希望する際の旅費負担に関する取り決めを事前に決めておく
必要書類チェックリスト(企業・本人・支援機関別)
- 特定技能所属機関概要書(会社の事業内容・資本金・従業員数等)
- 直近2期分の決算書・税務申告書の写し
- 法人登記事項証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
- 社会保険料の納入証明書・雇用保険適用事業所設置届
- 特定技能雇用契約書の写し(または雇用条件書)
- 支援計画書(義務的支援8項目すべてを記載)
- 登録支援機関との委託契約書(委託する場合) 分野別協議会への加入証明書(業種によって必要)
- パスポートの写し(顔写真ページ)
- 在留カードの写し(表裏)
- 技能実習修了証明書または特定技能評価試験合格証
- 日本語能力証明書(JLPT合格証またはJFT-Basic合格証)
- 健康診断証明書(発行から3ヶ月以内)
- 犯罪を理由とする処分を受けていないことの誓約書 履歴書(職歴・学歴を記載)
申請から許可までのリードタイムと注意事項
在留資格申請(認定または変更)の審査期間は、申請の種類や時期によって大きく異なる。採用スケジュールに余裕を持たせるために、以下の目安を参考にしてほしい。
| 申請種別 | 審査期間の目安 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 在留資格認定証明書(COE)交付 | 1〜2ヶ月 | 繁忙期(3〜4月)は+1ヶ月見込む |
| 在留資格変更許可 | 2週間〜1ヶ月 | 在留期限残存1ヶ月以上あることが 望ましい |
| 在留期間更新許可 | 2週間〜1ヶ月 | 期限3ヶ月前から申請可能。 早めに着手する |
| 資格外活動許可(在留中の転職) | 数日〜2週間 | 転職前に申請が必要な場合がある |
「在留期限が残り1ヶ月を切っている」という状況での申請は、就労空白期間が生じるリスクがある。採用が決まったら、候補者の在留期限を即座に確認し、余裕を持った申請スケジュールを立てることが重要だ。
不許可になるケースと事前回避策
- 書類の記載漏れ・矛盾 → 複数人によるクロスチェックを実施
- 雇用条件書の賃金が同等以上要件を満たしていない → 日本人の賃金台帳と比較して必ず確認
- 支援計画書の内容が不十分(形式的な記載のみ) → 具体的な支援実施方法・担当者・頻度を記載
- 分野別協議会への未加入 → 申請前に加入完了していることを確認
- 企業側に過去の法令違反歴(5年以内)がある → 事前に出入国在留管理庁に相談する
- 本人の技能試験・日本語試験の合格証が有効期限切れ → 有効期限を必ず確認 【原因⑦】財務状況が厳しい(債務超過・連続赤字) → 経営改善計画書等の添付で対応
初めての申請は必ず行政書士または経験豊富なエージェントのチェックを受けることを強く推奨する。不許可になると再申請まで時間がかかり、採用スケジュール全体が遅延するリスクがある。
採用後の定着率を高める受け入れ体制の作り方
特定技能外国人の採用における「本当の勝負」は、採用後の定着にある。採用コストの回収と組織への貢献を最大化するためには、入社前から計画的な受け入れ体制を整備することが不可欠だ。
入社前準備(住居・銀行口座・生活オリエンテーション)
特に海外からの採用の場合、入国後の生活立ち上げをサポートするかどうかが、入職初期の定着率を大きく左右する。以下の準備を入社前から進めておくことを推奨する。
- 住居の手配(社宅・会社紹介物件・シェアハウス等)と初期費用の負担方針を決める
- 最寄り駅・スーパー・病院・役所への交通手段・経路の案内資料を作成
- 銀行口座開設のサポート(必要書類・窓口同行)
- 携帯電話契約のサポート(外国人対応キャリアの案内)
- 住民登録・在留カードの住所変更の手続きサポート
- 生活オリエンテーション(ゴミの出し方・近隣ルール・交通ルール等)の実施 □ 職場ルール・就業規則の母国語での説明(業務マニュアルの翻訳・多言語化)
「住居の準備が整っていなかった」「銀行口座が開けず給与の受け取りに困った」といったトラブルが入職初期の離職原因になるケースは多い。こうした生活支援は登録支援機関に委託することもできるため、自社で対応が難しい場合は積極的に活用してほしい。
タカスイでは入社後の生活立ち上げサポートも対応。住居探し・銀行口座開設同行・役所手続きのサポートを実施。
「入職後に孤立して3ヶ月で離職してしまった」という企業が後を絶たない中、タカスイは就労開始後3ヶ月間の
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登録支援機関としての義務的支援8項目はもちろん、生活定着まで一貫してサポートします。
メンター制度・多言語サポートの導入事例
職場内での孤立感が早期離職の主要因の一つだ。外国人社員が「誰に相談すればいいかわからない」という状況を作らないために、メンター制度と多言語サポートの整備が非常に効果的だ。
- 【メンター制度】入職時に日本人先輩社員をメンターとして指定。週1回の1on1ミーティングを設定
- 【多言語対応マニュアル】業務手順書・緊急連絡先・ハラスメント相談窓口を母国語で作成
- 【コミュニケーションツール】Google翻訳・DeepLを業務に活用することを公式に認める
- 【定期面談】月1回の人事担当者との1on1(翻訳ツール活用可)で悩みを早期把握
- 【日本語学習支援】就業中の日本語勉強時間の確保(週2時間)+JLPT取得の受験費補助 【文化理解研修】日本人スタッフ向けに「外国人との働き方」研修を年1回実施
メンター制度の導入によって「困ったことを早期に相談できる環境」が生まれ、小さな問題が離職につながるリスクを大幅に低減できる。メンターとなる日本人社員にも、多文化コミュニケーションの基礎研修を実施することで、両者にとって良い職場環境が生まれる。
早期離職を防ぐ最初の3ヶ月の関わり方
データによると、特定技能外国人の離職の多くは入職後3ヶ月以内に集中している。この「クリティカルな3ヶ月」に集中的に関わることが定着のカギだ。
| 時期 | 関わりのポイント | 確認事項 |
|---|---|---|
| 入職〜2週間 | 職場・業務・生活環境への 慣れを集中サポート | 住居・通勤・職場人間関係の不安解消 |
| 1ヶ月目 | 業務の理解度・困りごとを 1on1で確認 | 業務習得度・職場コミュニケーションの状況 |
| 2ヶ月目 | 給与明細の見方・税金・ 社会保険の説明 | 生活費の収支・将来への不安の有無 |
| 3ヶ月目 | 半年・1年後の キャリアビジョンを共有 | 継続就労の意向・改善要望の ヒアリング |
「最初の3ヶ月を乗り越えた人材は長期定着する確率が高い」というのは、多くの受け入れ企業が口をそろえる事実だ。この時期のコストを惜しまない企業が、結果として最も低い採用コストで人材確保に成功している。
特定技能採用にかかるトータルコストの試算方法
採用を検討する際、「初期費用だけを見て判断する」という失敗は非常に多い。ランニングコスト・隠れコストを含めたトータルコストで試算しなければ、予算計画が大きく狂う。ここでは現実的なコスト試算の方法を解説する。
採用チャネル別の費用相場一覧
| 採用チャネル | 初期費用の目安 | 特徴・備考 |
|---|---|---|
| 人材紹介会社(エージェント) | 20〜60万円(固定) または 年収の20〜30% | 書類サポート・登録支援機関紹介 含む場合が多い |
| 求人サイト(外国人特化) | 掲載費3〜20万円/月 | 採用担当者工数が別途発生。 書類は自社対応 |
| JAC(建設・造船) | 加入費+月額会費 | 手数料体系が異なる。 国交省認定の公式ルート |
| 現地送り出し機関直接 | 30〜80万円 | 海外採用。 渡航費・住居費は別途発生 |
登録支援機関委託費・在留申請費用の実例
採用コストに加えて、就労開始後も継続的にランニングコストが発生する。この部分を見落とした予算設計は必ず崩れる。
- 登録支援機関への委託費:月額1.5〜3万円 → 年間18〜36万円
- 在留資格更新申請(行政書士費):1回あたり5〜10万円(1〜4年ごと)
- 日本語研修費用:年間3〜10万円(外部スクール・教材費)
- 通訳・翻訳費用(契約書・面談時):年間2〜5万円
- 定期健康診断・生活サポートコスト:年間1〜3万円 合計:年間約25〜55万円(1名あたり)のランニングコストが発生
5年間(特定技能1号の上限)で試算すると、初期費用+ランニングコストのトータルは1名あたり200〜350万円程度になるケースが多い。これを同期間の日本人採用(派遣・中途採用)と比較すると、特定技能のほうがコスト優位になる業種・職種は多い。
コストを抑えながら採用成功率を上げる方法
- 複数名まとめ採用:同時に2〜3名採用することで、エージェント紹介料の割引交渉が可能になる
- 国内採用の優先活用:渡航費・住居初期費不要の国内在留者採用を優先することで、初期コストを大幅に抑えられる
- 自社で支援対応:登録支援機関要件を自社で満たせれば、月額委託費を削減できる(ただし工数負担は増加)
- 技能実習移行の活用:自社技能実習生の特定技能移行は、採用コストが最も低く即戦力度も最高
- 補助金・助成金の活用:人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)の活用で一部コストを回収できる
- 定着投資を惜しまない:入職後の生活サポートへの投資は、早期離職コスト(30〜60万円/件)と比べると圧倒的に安い
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まとめ|特定技能採用は「ルート選択」と「定着投資」が成否を分ける
本記事では、特定技能外国人の採用方法について、海外採用・国内採用の比較から、採用フロー・チャネル選択・法的注意点・在留資格手続き・定着施策・コスト試算まで、採用担当者が必要とする情報を網羅的に解説した。最後に重要なポイントを整理する。
| 重要ポイント | 内容 |
|---|---|
| 採用ルート選択 | 海外採用・国内採用・実習移行の3ルートを 自社状況に合わせて使い分ける |
| 採用チャネル | エージェント・求人サイト・JACを特性・ コスト・工数で比較して選択 |
| 法的リスク管理 | 在留カード確認・差別禁止・同等賃金要件を 遵守し不許可リスクを排除 |
| 在留資格申請 | 書類の完璧な準備と余裕あるスケジュール設計が成功の鍵 |
| 定着施策 | 最初の3ヶ月の集中サポートと生活立ち上げ支援が 離職防止に直結 |
| コスト試算 | 初期費用だけでなくランニングコスト含む5年間の トータルで判断する |
特定技能採用は「採用して終わり」ではなく、「定着させて初めて成果」という視点が最も重要だ。制度を正しく理解し、適切なパートナー企業と組みながら、計画的に進める企業が結果を出している。
