特定技能「建設」の採用ガイド|JACへの加入・職種・費用を完全解説【2026年版】

特定技能「建設」の採用ガイド|JACへの加入・職種・費用を完全解説【2026年版】

建設業は、特定技能16分野の中でも最も手続きが複雑な分野です。他の分野にはない「JAC(建設技能人材機構)への加入」「建設特定技能受入計画の認定」「CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録」が必須であり、準備に最低6ヶ月は見ておく必要があります。

2025年6月時点で、建設分野の特定技能1号在留者は約43,600人。16分野中4番目の受入れ規模です。慢性的な人手不足が続く建設業界において、特定技能は重要な人材確保手段となっています。

この記事では、建設分野の特定技能について、制度の概要からJAC加入の手順、対象職種、費用、採用の流れまで網羅的に解説します。


目次

特定技能「建設」の基本情報

項目内容
在留期間1号:通算5年 / 2号:上限なし
雇用形態直接雇用・月給制のみ(日給・時給は不可。派遣も不可)
家族帯同1号:不可 / 2号:可能
受入れ人数の上限常勤職員の総数まで
受入れ見込み数8万人(2024年〜2029年の5年間)
特定技能2号あり(2023年6月に追加。在留期間の上限なし)

建設業だけの特別ルール

建設分野には、他の分野にない4つの必須要件があります。

  1. 建設業許可を受けていること
  2. JAC(建設技能人材機構)に加入していること
  3. CCUS(建設キャリアアップシステム)に登録していること
  4. 国土交通大臣による「建設特定技能受入計画」の認定を受けていること

さらに、雇用形態は月給制に限定されており、日給制や時給制は認められません。労働者派遣も禁止されているため、必ず直接雇用する必要があります。


業務区分と対象職種

2025年4月以降、建設分野の業務区分は以下の3区分に統合されました。

土木区分

型枠施工、コンクリート圧送、トンネル推進工、土工、鉄筋施工、とび、海洋土木工、PC工、鋼橋架設、切断穿孔、翼状プレキャスト工法 など

建築区分

建設大工、鉄筋施工、とび、屋根ふき、左官、内装仕上げ、表装、タイル張り、防水施工、サッシ施工、ガラス施工、塗装、溶接 など

ライフライン・設備区分

電気通信、配管、建築板金、保温保冷、冷凍空気調和機器施工、電気工事 など

同一区分内であれば、複数の業務に従事させることが可能です。 たとえば「土木区分」で受入れた外国人に、型枠施工とコンクリート圧送の両方の業務を担当させることができます。


JAC(建設技能人材機構)への加入

JACとは

JACは、建設業における特定技能外国人の適切な受入れを推進するために設立された機関です。建設分野の「協議会」の役割も兼ねており、特定技能外国人を受入れるすべての建設企業はJACへの加入が必須です。

加入方法は2パターン

加入方法年会費特徴
① 正会員団体の会員になる(間接加入)団体の会費のみ(JACへの年会費は不要)所属する建設業者団体がJACの正会員である場合
② JACの賛助会員になる(直接加入)24万円/年正会員団体に所属していない場合

コストを抑えるなら、正会員団体(全建総連、全国建設業協会など)に所属することで、JACへの年会費24万円を節約できます。

受入負担金

加入方法にかかわらず、特定技能外国人を受入れた場合は受入負担金として1名あたり月額12,500円が発生します。この費用は外国人本人に負担させることはできません。

年間にすると1名あたり15万円。5名受入れる場合は年間75万円の追加コストとなるため、予算計画に必ず組み込んでください。


CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録

CCUS(Construction Career Up System)は、建設技能者の就業履歴や保有資格を登録・蓄積するシステムです。特定技能外国人を受入れる場合、事業者登録と技能者登録の両方が必要です。

登録の種類費用
事業者登録(企業)資本金に応じて6,000円〜2,400,000円
技能者登録(外国人本人)簡略型2,500円 / 詳細型4,900円

登録には2〜4週間程度かかるため、早めに手続きを進めてください。


建設特定技能受入計画の認定

他の分野にはない建設業特有の手続きが、国土交通大臣による「建設特定技能受入計画」の認定です。

認定のポイント

  • 申請先: 国土交通省(地方整備局経由)
  • 審査期間: 1.5〜4ヶ月
  • 記載内容: 受入れ人数、報酬額、就労場所、安全衛生教育の内容、キャリアアップ計画 など

特に重要なのが「同等報酬の確認」です。 特定技能外国人の報酬が、同じ業務に従事する日本人と同等以上であることを具体的な根拠(賃金台帳等)とともに示す必要があります。

受入計画の認定後に入管へ申請

建設分野は二段階審査です。まず国土交通省の受入計画認定を取得し、その後に入管(出入国在留管理庁)への在留資格申請を行います。この順序を間違えると申請が受理されないため注意してください。


特定技能「建設」にかかる費用

建設分野は他の分野より費用が高くなります。JAC受入負担金やCCUS登録費用など、建設業特有の費用が上乗せされるためです。

初年度の費用シミュレーション(1名・国内採用の場合)

費用項目金額
人材紹介手数料15万〜40万円
行政書士費用(受入計画+在留資格変更)13万〜25万円
JAC賛助会員年会費24万円(正会員団体経由なら不要)
JAC受入負担金(12ヶ月分)15万円
CCUS登録費用約1万円
登録支援機関委託費(12ヶ月分)24万〜48万円
合計約92万〜153万円

採用から就労開始までの流れ

建設分野は準備に最低6ヶ月かかるため、早めの着手が重要です。

  1. JAC加入・CCUS登録(同時並行で進める。2〜4週間)
  2. 人材の選定・面接(1〜2ヶ月)
  3. 雇用契約の締結・支援計画書の作成(2〜3週間)
  4. 建設特定技能受入計画の認定申請(審査1.5〜4ヶ月)
  5. 入管への在留資格申請(審査1〜3ヶ月)
  6. 入国・就労開始

受入計画の認定と在留資格申請は**順番が決まっている(受入計画が先)**ため、並行して進めることができません。逆算して計画を立ててください。


特定技能2号への移行

建設分野は特定技能2号の対象です。2号に移行すると、在留期間の更新に上限がなくなり、家族の帯同も可能になります。2025年6月時点で、建設分野の2号在留者は約1,350人で、前年比2.5倍に急増しています。

2号への移行条件:

  • 建設分野の技能検定1級(または同等の試験)に合格
  • 班長(職長)として一定の実務経験がある

優秀な人材に長く働いてもらうために、2号への移行を見据えたキャリアプランの提示が、採用力と定着率の向上につながります。


よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業主でも特定技能「建設」で外国人を受入れられますか?

はい、個人事業主でも受入れ可能です。ただし、建設業許可を取得していること、JAC・CCUSに登録していることなど、すべての要件を満たす必要があります。

Q. 技能実習からの移行は可能ですか?

はい、建設職種の技能実習2号を良好に修了した外国人は、試験免除で特定技能1号に移行できます。ただし、建設特定技能受入計画の認定は別途必要です。

Q. 2027年の育成就労制度の影響は?

2027年4月に育成就労制度が施行されます。特に2026年4月2日以降に技能実習2号を開始した実習生は3号への移行ができなくなるため、特定技能1号への移行が現実的な選択肢になります。該当する実習生がいる場合は、早めに移行計画を立ててください。


まとめ

建設分野の特定技能は手続きが最も複雑ですが、月給制での直接雇用、2号への移行による長期雇用など、制度として充実した面もあります。JAC加入・CCUS登録・受入計画認定の3つを計画的に進め、就労開始日から逆算して最低6ヶ月前から準備を始めてください。


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