特定技能外国人の受入れ企業の要件とは?満たすべき条件と準備事項【2026年版】

特定技能外国人の受入れ企業の要件とは?満たすべき条件と準備事項【2026年版】

「特定技能外国人を受入れたいが、自社は要件を満たしているのか?」

特定技能外国人を採用するためには、外国人側だけでなく受入れ企業側にも満たすべき要件があります。要件を満たしていない状態で申請すると不許可になるため、採用活動を始める前に確認しておくことが重要です。

この記事では、特定技能の受入れ企業に求められる要件を整理し、チェックリスト形式で確認できるようにまとめました。


目次

受入れ企業の基本要件(すべての分野共通)

① 労働関係法令を遵守していること

過去5年以内に労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などの労働関係法令に違反し、罰則を受けていないことが必要です。

② 社会保険・労働保険に適正に加入していること

健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険にすべて加入していることが求められます。社会保険の加入漏れがある場合は、先に是正してから申請してください。

③ 過去1年以内に非自発的離職者を出していないこと

受入れ予定の外国人と同じ業務に従事する従業員を、過去1年以内に企業都合(整理解雇、退職勧奨等)で離職させていないことが条件です。ただし、自己都合退職や定年退職は該当しません。

④ 過去1年以内に行方不明者を出していないこと

技能実習生や特定技能外国人の行方不明者を過去1年以内に出していないことが求められます。行方不明者を出した場合、その原因の分析と再発防止策の実施が必要です。

⑤ 外国人と結ぶ雇用契約が適正であること

特定技能外国人との雇用契約は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 報酬額が日本人と同等以上であること — 同じ業務に従事する日本人の報酬と比べて不当に低くないこと
  • 所定労働時間が日本人と同等であること — フルタイム勤務が原則
  • 直接雇用であること — 派遣は農業と漁業のみ認められている
  • 一時帰国を希望した場合に休暇を取得させること

⑥ 義務的支援を適切に実施できる体制があること

特定技能1号の外国人に対して、10項目の義務的支援を実施する体制が必要です。自社で実施するか、登録支援機関に委託するかを選択します。

自社で実施する場合の要件:

  • 過去2年間に外国人(中長期在留者)の受入れ実績があること
  • 支援責任者・支援担当者を選任すること
  • 外国人が理解できる言語で支援できる体制があること

これらの要件を満たせない場合は、登録支援機関への委託が必須です。

⑦ 外国人の保証金・違約金を設定していないこと

外国人本人やその親族から保証金を徴収したり、「途中退職した場合は違約金を支払う」といった契約を締結したりすることは禁止されています。

⑧ 分野別の協議会に加入すること

各分野で設置されている協議会(例:介護分野特定技能協議会、建設分野は JAC)に加入する必要があります。初回の受入れ後4ヶ月以内に加入手続きを完了してください。


分野別の追加要件

上記の基本要件に加えて、分野によって追加の要件があります。

分野追加要件
建設建設業許可、JAC加入、CCUS登録、建設特定技能受入計画の認定
介護対象施設であること、受入れ人数の上限(常勤介護職員数まで)
漁業漁業権または漁業許可の保有
外食業食品衛生法に基づく営業許可(※2026年4月以降は新規受入れ停止)

建設分野は追加要件が最も多く、準備に最低6ヶ月必要です。


「日本人と同等以上の報酬」とは具体的にいくらか

在留資格の審査で最も厳しくチェックされるのが報酬水準です。「日本人と同等以上」とは、具体的には以下のように判断されます。

同じ業務に従事する日本人がいる場合: その日本人の報酬と同等以上であること。経験年数や資格の差がある場合は、合理的な説明ができる範囲での差額は認められますが、大幅な差は不許可の理由になります。

同じ業務に従事する日本人がいない場合: 近隣の同業他社での同種の業務に従事する日本人の報酬を参考に、同等以上であることを説明する必要があります。賃金構造基本統計調査などの公的データを根拠として用いることもあります。

注意: 基本給だけでなく、賞与や各種手当を含めた年間総報酬で比較されます。「基本給は同じだが、賞与を支給しない」というケースは不許可になる可能性があります。


【チェックリスト】受入れ前の自己診断

自社が受入れ要件を満たしているか、以下のチェックリストで確認してください。

基本要件:

  • □ 過去5年以内に労働関係法令違反で罰則を受けていない
  • □ 社会保険(健康保険・厚生年金)に加入している
  • □ 労働保険(雇用保険・労災保険)に加入している
  • □ 過去1年以内に同業務の従業員を企業都合で離職させていない
  • □ 過去1年以内に外国人の行方不明者を出していない
  • □ 外国人に日本人と同等以上の報酬を支払う予定である
  • □ 直接雇用する予定である(農業・漁業以外は派遣不可)
  • □ 保証金の徴収や違約金の設定を行わない

支援体制:

  • □ 自社で義務的支援を実施できる or 登録支援機関に委託する予定である
  • □ 支援責任者・支援担当者を選任できる(自社実施の場合)

分野別:

  • □ 分野の協議会への加入手続きを把握している
  • □ 分野別の追加要件(建設業許可、介護施設要件等)を満たしている

要件を満たしていない場合の対処法

社会保険に未加入の場合

まず社会保険への加入手続きを行ってください。年金事務所に届出を行い、加入が完了した後に特定技能の申請が可能になります。

直近1年以内に離職者を出している場合

同じ業務に従事する従業員を企業都合で離職させた場合は、1年間は特定技能外国人を受入れることができません。1年経過後に申請してください。

自社で義務的支援を実施できない場合

登録支援機関に委託すれば問題ありません。ほとんどの企業は登録支援機関に委託しています。


よくある質問(FAQ)

Q. 個人事業主でも特定技能外国人を受入れられますか?

はい、個人事業主でも受入れ可能です。法人である必要はありません。ただし、社会保険の加入義務(従業員数5名以上の場合)など、すべての基本要件を満たす必要があります。

Q. 設立したばかりの会社でも受入れ可能ですか?

はい、設立年数の要件はありません。ただし、「過去2年間の外国人受入れ実績」がないため、自社での義務的支援は実施できず、登録支援機関への委託が必要になります。

Q. 外国人をアルバイト(パート)で雇用できますか?

原則として、特定技能1号はフルタイム勤務が条件です。パートタイムやアルバイトでの雇用はできません。


まとめ

特定技能外国人の受入れ要件は多岐にわたりますが、一般的な中小企業であればほとんどの要件を満たしているケースが多いです。上記チェックリストで確認し、不明点があれば行政書士や登録支援機関に相談してください。

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